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独自の文化を育むヨーロッパの異郷 バスク地方(スペイン)

2013.01.10

ピレネー山脈をはさみ、スペインとフランスの両側ににまたがるバスク地方。そこに住む人々はバスク人と呼ばれ、ヨーロッパの他の地域とは異なる言語を持ち、独特の文化を育んできました。近年では美食とアートの都としても注目を浴びている地域です。今回はそんなバスク地方の中でもスペインバスクの魅力をご紹介します!

スペインといえば、 強い日差しに荒涼とした大地というイメージが強いですが、バスク地方は「緑のスペイン」と呼ばれるほど緑豊かで、美しい山々と清らかな水に恵まれた地域です。

ビルバオ

by paspog

こちらはスペイン北部屈指の湾岸都市「ビルバオ」。スペインの主要都市の1つですが、大都市とは思えないほど緑が多くとても穏やかな街です。元々は鉄鋼業で栄えた街で、経済的に裕福なため、マドリッドやバルセロナに比べると治安がいい街です。

by esti-

街の小路に入るとこんなかわいらしい風景に出会うことができます。鮮やかな色の壁なのにとても趣があります。ベランダに飾られた花がスペインらしいですね。

by Gallastegui

こちらもビルバオのストリート。ちょっとノスタルジックな感じがとても素敵です!

by basajauntxo

カラフルな建物が立ち並ぶ道を通りぬけていく真っ赤なバスは、バスク語でビルバオを表す「bilbo」のロゴがトレードマークのビルバオ市民の足、「ビルボバス(bilbo bus)」。こんなちょっとしたところにもバスクらしさを垣間見ることができますね。バスの他には、市内をトラムが走っているので、トラムに乗って街を散策するのも楽しいですよ。

by wilsonaxpe

そしてビルバオといえば、建築界の鬼才、フランク・ゲーリーによって設計されたグッゲンハイム美術館。港町として栄えてきたビルバオの地域性を意識してデザインされたものですが、ネルビオン川に浮かぶ一艘の船のようですね。グッゲンハイム美術館を真上から見ると、バラの花びらのようにもみえるのだそうです。

by trabancos

そして、色とりどりの花が植え込んであるグッゲンハイム美術館の番犬「Puppy(パピー)」は、子犬と言うには少々大きい12.4m。季節や年によって異なる模様のパピーを見ることができますが、季節の移り変わりの時期には、お着替え中ということもあるようです。どうせなら、めいいっぱいお花で着飾ったパピーを見てみたいですね。

by Tudel2008

こちらは、ビルバオ旧市街の南端に位置するサン・アントン教会。15世紀に建てられた石つくりの歴史のあるロマネスク様式の教会です。そして、サン・アントン教会のたもとにあるアーチ型の石橋はサン・アントン橋。グッゲンハイム美術館のような超近代建築と、このような歴史的建造物が違和感なく溶け込んでいるというのも、ビルバオという街の魅力の1つです。

by carlosolmedillas

ビルバオを流れるネルビオン川にかかるビスカヤ橋は、世界最古の運搬橋として世界遺産に登録されています。橋から吊るされているゴンドラには、車6台と300人ほどが乗ることができ、24時間営業で、現在でも市民の交通手段として使われています。高さ50mという高さの橋の上部は歩道になっているので、港や湾を眺めながら歩くこともできます。高さが平気な方は海風を感じながらスリルと爽快感を味わえるはず!(私は足がすくんで途中で断念しちゃいましたが!)

by antuan35mm

なめらかなカーブが美しいズビズリ橋。歩行者専用の橋で、床はガラス張りになっています。夜は下からライトアップされるので、日が落ちてから歩くとロマンティックさ倍増です!奥に見えるツインタワーは、日本人建築家磯崎新が設計したイソザキタワー。日本からはるか遠くの地で、日本人の活躍を見るのはなんともうれしいですね。

by Ulises888

ビルバオの主要駅のアバンド駅の構内に入ると、素敵なステンドグラスが出迎えてくれます。そして一度見たら忘れられないいかつい顔のおじさんの銅像。ステンドグラスとミスマッチのようでマッチしてます(笑)

独自の文化を育むヨーロッパの異郷 バスク地方

by JasonParis

バスク地方を訪れて驚くことの1つに、道路標識や、看板など至る所にバスク語を見つけることができることです。この案内も、上からバスク語、スペイン語、英語表記となっています。バスク語の起源は未だ謎のままで、世界で最も難解な言語の1つと言われています。悪魔がバスク人を誘惑するためにバスク語を習ったが、7年かかって覚えたのは『はい』と『いいえ』だけだったなんていうジョークもあるほど。文法的には、ヨーロッパの言語よりも日本語の方が近かいとも言われています。う~ん、興味深いです!

by Marooned

サッカーファンなら訪れてみたいアスレティック・ビルバオのホームスタジアムであるエスタディオ・サン・マメス。このアスレティック・ビルバオはバスク人のみしか入ることのできない特殊なクラブですが、レアル・マドリードとFCバルセロナと並んで、リーガ・エスパニョーラ創設以来1度も2部リーグに降格したことのない名門クラブ。日本のJリーグに置き換えると、大阪人のみを起用したガンバ大阪が100年近くも1部リーグで戦い続けているようなもの。そう考えるといかにバスク人のフットボール技術がすごいのかわかりますよね!

サンセバスチャン

by ramon.vmorales

スペイン北部のリゾート地であるサンセバスチャンのラ・コンチャ湾。上空から見ると、まるで貝殻のような形をしているため、コンチャ(concha)=貝殻湾と名付けられたそう。

by maximfr

サンセバスチャンの街でひときわ高くそびえ立っているのがブエン・パストール大聖堂。

by andrea.sulis

ライトアップされたブエン・パストール大聖堂は、美しくも荘厳な雰囲気が醸し出されています。

by OpenMinder

サンセバスチャンは、街自体はとてもこじんまりとしていますが、ビルバオ同様緑が多く、大聖堂や、教会、博物館など、中世ヨーロッパの趣を感じられる街でもあります。そして、街を歩いているとやっぱりこんなかわいらしい風景に出会うこともできます。

by Arrano

雨宿りをしていたら、素敵な出会いに巡り合えそうな場所ですね!

by La Perla Talaso – Sport

みなさんお待ちかね!?バスク地方といえば、フランス・スペインを合わせてミシェランの星が30以上という美食の都としても有名ですが、星がついていないレストランやバル(バー)でもおいしい料理を楽しむことができます。

by La Perla Talaso – Sport

とりわけサンセバスチャンは、ピンチョスというフィンガー・フードが有名な街です。薄く切ったバゲットの上に、バスクの豊かな山の幸と海の幸をふんだんにのせたピンチョスは、一般的なバル(バー)では、1.5~2€ほど。

by La Perla Talaso – Sport

お腹がすいている時に見るのは目に毒ですね(笑)

by wciu

バケットだけではなく、串に刺したものや揚げ物まで本当にバラエティーに富んでいます。

by Wipeout Dave

こちらはサンセバスチャンの旧市街にあるバルがひしめき合う通り。

by gizzmo2z

中に入ってみると、カウンターには所狭しと並べられたピンチョス、ピンチョス、ピンチョス!テーブル席があるお店は少なく、立ち食い・立ち飲みで、1つのバルで一杯ひっかけたら次のバルへとはしごするのがバスク流です。

パンプローナ

by anna_t

手前のお兄さんが勝手にピンチョに手を伸ばしていますが、つまみ食いではありません(笑)お店によって、システムはまちまちですが、ピンチョの清算は自己申告制で、帰る時に「いくつ食べた?」なんて聞かれるお店もあります。もしくは、ピンチョスに刺してある楊枝の数で清算するバルもあります。このシステムは、スペイン人もビックリの、バスクならではのシステムなんです。なじみ客が多いからというのも理由の1つですが、バスク人はその他の地域のスペイン人の陽気で大雑把な気質とは異なり、日本人のように、真面目で勤勉で繊細な気質ということも大きく関係しているようです。お店に入る時に、「カイショー(バスク語でこんにちわの意味)」とあいさつすれば、きっとみんな暖かく迎えてくれるはずです!

by int_aus

牛追いで有名なパンプローナの祭りサン・フェルミン(San Fermin)もバスクのお祭りです。

by CARLOS ARANA

一週間にも渡るお祭りの期間は、世界中から旅行者が集まり、パンプローナは、白の上下に赤いスカーフを見につけた人々でごった返します。

by Victoriano

闘牛といえば赤というイメージが定着しているので、牛追い祭りのスカーフも赤なのかといえば、実は、白い上下の服に赤い腰紐、そして赤いスカーフはバスク地方のお祭りの正装なんです。赤のベレー帽も被ったおじいちゃんは完璧です!

by loryan

牛追い祭り以外の時期は、パンプローナは至って静かな街です。そしてここにもバスクらしい色とりどりのかわいらしい建物が多くあります。

by pelz

あまり知られていませんが、イエズス会宣教師としてキリスト教布教のために日本にやってきたフランシスコ・ザビエルは実はバスク人。そして、パンプローナ近郊にあるこのハビエル城は、ザビエルの生家です。ザビエルは19歳までこの城で育ったそうです。三重県の志摩スペイン村にはハビエル白を忠実に再現した博物館がありますが・・・

by ariel7515

お城の中は、現在博物館になっています。なんだかとても重厚な雰囲気です。

by paspog

今回は、比較的大きな街ばかりを紹介してきましたが、ちょっと足をのばせば、小さな漁村など見どころはたくさんあります。

by M. Caballero Arias

少し内陸部に入ると、豊かな緑、小さな小川、そしてバスク伝統の石造りの建物「カセリオ」などバスクらしい風景に出会うこともできます。

by Tenebris

カセリオの番犬達。う~~ん、癒されますね~!

バスク地方には、世界遺産や観光名所など、絶対に訪れておきたい場所というのはそれほど多くはありませんが、街を歩けば、何かしらバスクらしさを感じたり、新たな発見ができる魅力的な場所です。

おいしいものを食べて、豊かな自然に癒されて、あえてのんびりと旅行しながら、自分だけのお気に入りの風景やお気に入りのバルを見つける。そんな思い出に残る旅をしてみたいですね。

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